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用語解説 タスクディクショナリ

タスクディクショナリとは
スキルディクショナリとの違い・業務を言葉にする手順

PUBLISHED 公開2026年11月1日
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分類:用語解説(人材・スキル)

スキルの整理を始めると、必ず「業務」の側をどう言葉にするかという問題にぶつかります。業務の一覧を定義したものがタスクディクショナリです。この記事では、タスクディクショナリの意味、スキルディクショナリとの違い、なぜ業務を先に言葉にするのか、業務の粒度をどう決めるか、そして自社で作るときに迷いやすい点を、順に説明します。

DEFINITION
タスクディクショナリtask dictionary

会社の仕事を業務(タスク)の単位で一覧にし、それぞれが何をする仕事かを定義したもの。「仕事の辞書」の業務の側にあたり、職種ごとにどんな業務を担うのかを示す。業務ごとに必要なスキルと水準を結びつけることで、スキルディクショナリと対で使う。

別名:業務辞書、業務一覧 / 近い語:スキルディクショナリ(スキル辞書)、職務記述書

タスクディクショナリとは

タスクディクショナリは、会社の仕事を業務(タスク)の単位で一覧にし、それぞれが何をする仕事かを定義したものです。「仕事の辞書」の、業務の側にあたります。日本では、情報処理推進機構(IPA)が公開した「iコンピテンシ ディクショナリ」が、業務を「タスクディクショナリ」、能力を「スキルディクショナリ」として対で定めたことで、この言葉が広まりました。

タスクディクショナリが答えるのは、「この職種は、どんな業務を担うのか」という問いです。人の評価や育成の話では、どうしてもスキルの側に目が行きますが、スキルは業務から引いたときに初めて「要る力」になります。業務が言葉になっていないと、スキルの一覧は宙に浮きます。

この記事では、タスクディクショナリの意味、スキルディクショナリとの違い、業務を言葉にする手順と、自社で作るときに迷いやすい点を説明します。

なぜ業務を先に言葉にするのか

スキルを整理する取り組みは、多くの場合「うちの社員にどんなスキルがあるか」から始まります。しかし、この順序で作った一覧には、持っているが仕事では使わない力や、何のために要るのか分からない力が並びます。

つまり、タスクディクショナリは、スキルディクショナリを仕事の実態につなぎ止める錨です。業務を先に言葉にし、その業務に必要なスキルと水準を結びつける。この順序が、スキルの一覧を「使える」ものにします。

スキルディクショナリとの違い

タスクディクショナリスキルディクショナリ
定めるもの業務(何をする仕事か)スキル(何ができればよいか)と水準
単位職種の下の業務。動詞で書ける大きさ業務をこなすのに要る力。水準を4段階程度で書き分けられる細かさ
答える問いこの職種は、どんな業務を担うのかその業務をこなすには、どんな力がどの水準で要るのか
作る順序先後。業務から引く
主な使い方業務の整理・標準化、職務記述書の材料、配置の穴の把握育成の目標づくり、評価の基準、採用の要件
表1タスクディクショナリとスキルディクショナリの違い

2つは別々に作るものではなく、業務とスキルを結びつけて初めて使えます。「この業務には、このスキルがこの水準で要る」という線が引かれていると、職種から業務、業務からスキルへとたどれます。この線を定めるのがスキルオントロジーで言う「使う場面」の関係です。

業務を言葉にする手順

1. 職種の下に業務、業務の下に作業の3段で考える

職種は「営業」「設計」のような仕事のまとまり、業務は「見積を作る」「図面を審査する」のような動詞で書ける単位、作業はその中の手順です。スキルを結びつける単位は、真ん中の業務にそろえます。職種に直接スキルを結ぶと大きすぎ、作業に結ぶと細かすぎます。

2. 動詞で書く

「見積」ではなく「見積を作る」、「品質」ではなく「出荷前に検査する」。名詞だけの項目は、何をするのか人によって読み方が変わります。動詞で書くと、必要なスキルが自然に浮かびます。

3. 成果物か、相手か、節目で区切る

業務の切れ目に迷うときは、「何が出来上がるか(成果物)」「誰に対して行うか(相手)」「いつ行うか(節目)」のどれかで区切ります。切れ目の決め方を会社で1つにしておくと、部署ごとの粒度がそろいます。

4. 業務ごとに必要なスキルと水準を結びつける

ここでスキルディクショナリとつながります。1つの業務に結びつくスキルは、多くても十程度に収めます。何十も結びつく業務は、まだ大きすぎる印です。

5. 兼務と例外は、業務の側で表す

人が複数の職種をまたぐときは、人に職種を2つ付けるのではなく、担当する業務の一覧で表します。業務の単位がそろっていれば、兼務は「担当業務の組み合わせ」として扱えます。

自社で作るときに迷いやすいこと

1. 粒度が部署によってばらつく

ある部署は職種のような大きさで書き、別の部署は作業のような細かさで書く。これがいちばん多いつまずきです。切れ目の決め方(成果物・相手・節目)を先に全社で決め、見本を示してから書き出します。

2. 部署名と業務を混同する

「総務の仕事」「品質保証の仕事」は部署の名前であって業務ではありません。同じ業務が複数の部署で行われることは普通にあります。業務は部署から切り離して定義し、どの部署が担うかは別に持ちます。

3. 現在の担当者の仕事を、そのまま業務にしてしまう

「田中さんがやっていること」を書き出すと、その人の兼務や癖が業務に紛れ込みます。業務は、人が代わっても残る単位で定義します。

4. 作ったあと、どう更新するか

事業や組織が変われば業務も変わります。新しい業務が生まれたとき、どの職種の下に置くか、消えた業務をどう扱うか。変更の履歴を残しておかないと、数年で誰も全体を把握できなくなります。

スキル大全について

株式会社Personalityの「スキル大全」は、職種・業務・スキルをひとつの体系でつないだ仕事の辞書です。業務の側(タスクディクショナリ)とスキルの側(スキルディクショナリ)を別々に作るのではなく、業務ごとに必要なスキルと水準が結びついた形で、最初から持っています。

よく一緒に出てくる用語と並べると、次のようになります。この表は、用語解説の各ページで共通です。

用語定めるもの答える問い使いどころ
タスクディクショナリ業務(何をする仕事か)を職種ごとに一覧にしたものこの職種は、どんな業務を担うのか業務の整理・標準化
スキルタクソノミースキルの分類と階層(どの棚に入るか)。上から下へ枝分かれする木の形このスキルは、どのまとまりに属するのかスキルの整理・集計
スキルディクショナリスキルごとの意味と水準(何ができればよいか)。水準のそろえ方は作る会社しだいこのスキルは何を指し、どこまでできれば「できる」か育成の目標づくり
スキルオントロジースキル同士、スキルと職種・業務・資格との関係(何とどうつながるか)。複数の種類の線でつながる網の形この職種に何が要るか。このスキルに近いものは何か検索、推薦、マッチングの土台
スキルマップ誰が、どのスキルを、どの水準で持っているかの表。水準は自己申告になりやすい今、社内に誰がいて、何が足りないのか現状の把握
スキル大全職種・業務・スキルと、その分類・水準・つながりをひとつながりで持つ辞書。すべてのスキルに4段階のレベル定義と判定設問この職種・この業務に、どの力がどの水準で要るのかを一度に引ける育成・配置・採用の要件に、そのまま置き換えられる
表2スキルの体系に関わる用語の比較(当社整理。解説のある用語は名前から各ページへ)

作って終わりではなく、版を重ねて更新しています。既存のスキル体系をお持ちの企業さまには、対照して統合した「貴社版」もご用意できます。

分類の内訳、定義文、レベル定義、判定設問は一般には公開していません。利用許諾をいただいた企業さまにご提供しています。

よくあるご質問

タスクディクショナリとスキルディクショナリは何が違いますか

タスクディクショナリは「何をする仕事か」という業務を定義したもの、スキルディクショナリは「何ができればよいか」という力を定義したものです。業務が先、スキルが後の関係にあり、業務ごとに必要なスキルを結びつけて使います。

タスクディクショナリは、職務記述書(ジョブディスクリプション)と同じですか

違います。職務記述書は1つのポジションについて、担当する業務と求める要件を書いた文書です。タスクディクショナリは、会社全体の業務を同じ粒度でそろえて一覧にした辞書で、職務記述書を書くときの材料にあたります。辞書があると、ポジションごとに業務の書き方がばらつきません。

業務の粒度はどのくらいにすればよいですか

目安は「必要なスキルを結びつけられる大きさ」です。「営業」のように大きすぎるとスキルが何十も結びついて意味がなくなり、「電話をかける」のように細かすぎると数が爆発します。職種の下に業務、業務の下に作業という3段で考え、スキルを結びつける単位は真ん中の「業務」にそろえると扱いやすくなります。

タスクディクショナリは自社で作れますか

作れますが、部署によって粒度がばらつく、部署名と業務を混同する、兼務の扱いで迷う、事業の変化に更新が追いつかない、の4点で止まりやすい取り組みです。共通の骨組みを土台にして自社の部分を足す形が、使い続けやすい作り方です。

スキルより先に業務を言葉にするのはなぜですか

スキルは、業務から引いたときに初めて「要る力」になるからです。スキルから始めると、持っているが使わない力まで並び、何のために要るのかが分からない一覧になります。業務を先に決め、その業務に必要なスキルを結びつける順序にすると、一覧が仕事の実態とつながります。

本稿の要点

KEY POINTS
  • タスクディクショナリは、会社の仕事を業務の単位で一覧にし、何をする仕事かを定義したもの。仕事の辞書の業務の側
  • スキルは業務から引いて初めて「要る力」になる。業務が先、スキルが後
  • 業務の単位は、職種の下・作業の上。動詞で書き、成果物・相手・節目のどれかで区切る
  • 1つの業務に結びつくスキルは十程度まで。何十も結びつく業務は大きすぎる
  • 迷いやすいのは、粒度のばらつき、部署名との混同、担当者の仕事をそのまま業務にすること、更新の決まりがないこと

参考資料

本稿は上記を参照し、当社の言葉で整理したものです。各基準の内容そのものは、それぞれの発行元の資料をご確認ください。

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学術的な文脈や社内資料で本稿を引用する場合は、次の形式をお使いください。

株式会社Personality(2026)「タスクディクショナリとは|スキルディクショナリとの違い・業務を言葉にする手順」株式会社Personality 用語解説, 2026-11-01公開, https://www.personality-sea.com/task-dictionary
発行株式会社Personality(スキル辞書「スキル大全」提供元)
更新履歴2026年11月1日 公開
引用・転載出典(株式会社Personality「タスクディクショナリとは」)を明記のうえ、ご自由に引用いただけます
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